豚肉を食べる時、「コレは豚のどの部分のお肉だろう?」と気にする人はあまりいませんよね。ですが、それぞれの部位の特徴を知っておくと、豚肉をもっと美味しく食べることができます。各部位に適した調理方法がちゃんとあるんです。豚肉好きの人はもちろん、「料理にちょっと自信がない」という人も覚えておくときっと役に立ちますよ。そんなわけで、豚肉の各部位の名称や特徴、それに合う料理などをご紹介します。
★ 肩 |
肩はうでの部位のことです。肉の色は濃いめできめがやや粗く、よく運動する筋肉なので、ほどよく脂肪分を含み、うまみのある部位です。少し硬めですが、しっかりした旨みのある肉です。シチューや豚汁などの煮込み料理、または薄切りにすればポークビーンズなどにも適しています。(100g当たり239キロカロリー)
●カレー ●シチュー ●豚汁 ●肉じゃが |
★ 肩ロース |
肩ロースはロースに続く肩側の肉で、肉のきめはやや粗いですが、赤身の中に脂肪がほどよく入っています。コクがあり、濃厚な味で、カレーや焼き豚、焼肉、しょうが焼きなどに使用します。調理する前にスジ切りするのを忘れないようにしましょう。(100g当たり256キロカロリー)
●ステーキ ●カレー ●しょうが焼き ●焼肉 |
★ ロース |
豚ロースは胸から腰にかけての背側の肉で、キメが細かくて、肉質も柔らかく一番美味しいと言われる部分です。肉の色が淡灰紅色で、つやのある鮮やかなものが最上。ふちの脂身の部分にも旨みが凝縮されているんですよ。とんかつやポークソテー、焼き豚、ロースハムなどに向いています。(100g当たり291キロカロリー)
●しゃぶしゃぶ ●とんかつ ●ポークソテー ●焼き豚
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★ ヒレ |
豚ヒレ肉は肉のきめが最も細かくて柔らかいため豚肉の中で一番良質の部位です。美肌効果があるビタミンB1が最も多く含まれています。また、脂肪分が少ないのに柔らかく、あっさりとした味わいが特徴的です。柔らかいのでお年寄りにも好まれ、ヒレかつなどに利用されます。豚1頭から取れる量も少ないことから一番高価な部位です。ポークソテーやとんかつなどの油を使う料理に適しています。(100g当たり112キロカロリー)
●ローストポーク ●とんかつ ●ポークソテー
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★ バラ |
豚バラ肉はロースを取り除いた胴部の腹側の肉で、脂肪と筋肉が層状構造を形成しているため三枚肉とも呼ばれます。肉のきめはやや粗いですが、肉質は柔らかく、濃厚な脂身が特徴の部位です。ベーコンは、この部分を使って作られるんですよ。焼き豚や肉じゃが、角煮にも使用します。ちなみに骨付きのものは、スペアリブと呼ばれます。(100g当たり434キロカロリー)
●焼き豚 ●肉じゃが ●角煮 ●ベーコン |
★ モモ |
豚もも肉は肉のきめが細かく、淡い肉色をしています。この部位は脂肪分が少ないので、さっぱりと食べられます。運動量が多く筋肉が集まっているため、全体的にたんぱく質が多く脂肪が少ないヘルシー、そしてヒレに次いでビタミンB1を多く含んでいる部位です。ローストポークやボンレスハムなどに使用します。(100g当たり225キロカロリー)
●酢豚 ●焼き肉 ●炒め物
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★ 外モモ |
外もも肉は肉のきめはやや粗く、色も濃いめの赤身肉です。脂肪が少なく、味はあっさりしていて柔らかい部位です。淡泊な味の部位なので、焼き豚やシチュー、角煮などに向いています。そのほか、意外とどんな料理にも合うのが魅力ですね。(100g当たり268キロカロリー)
●焼き豚 ●シチュー ●角煮 |
★ 豚足 |
その名の通り、豚の足の部分です。豚足はコラーゲン、エラスチン等のタンパク質が多く含まれ長時間煮ると、ゼラチン質に変化し、やわらかくなります。プルプルのゼラチン質には肌にいいコラーゲンがたっぷり含まれています。通常は茹でた状態で売られています。
●煮込み料理
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★ 耳、内臓など |
豚肉をたくさん食べる沖縄で煮込み料理によく使われる豚の耳や内臓。特に耳はコリコリした食感がおもしろく、一度食べるとやみつきになりますよ。コラーゲンやカルシウムを含んでいて、さらに低カロリーです。
●煮込み料理 ●あえもの
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以前は、そのお店によって豚肉の部位の名称はバラバラでした。この部位がロースとか、ここがモモというふうに一つずつの部位に名称が付けられたのは、昭和52年、食肉小売品質基準によって定められたのです。その基準により、豚肉に関しては肩、肩ロース、ロース、バラ、モモ、外モモ、ヒレの7つの部位が定められています。また、こま切れと挽き肉については部位の非表示が認められているんです。